下の図は、4件の施工中の建築物から、計25箇所の床下地を試料として選定し、それぞれ床材施工前後での凹凸,不陸を測定した結果です。
測定は、本会で設定した測定方法に則って行いました。
ただし、各測定対象箇所の最大隙間,最大高低差を求めず、6本の測定線の結果をそのまま用いています。

図中の破線上に点がプロットされている場合は床材の施工前後でその測定線での測定結果に差がないことを表します。
また、下側にプロットされている場合は施工後の凹凸,不陸の方が小さいことを、逆に上側にプロットされている場合は施工後の方が大きいことを表します。


SL材では、大部分の点が破線近傍かそれより下側にプロットされており、SL材により凹凸,不陸が改善される場合とほとんど改善されない場合とが混在していることがわかります。
また、施工前後での線別隙間,線別高低差に明確な対応関係はなく、施工前の凹凸,不陸から施工後の凹凸,不陸を推定するのは困難であることがわかります。


フローリングでは、大部分の点が破線近傍にプロットされており、凹凸,不陸の改善はほとんど期待できないことがわかります。


ビニル床シートでも、大部分の点が破線近傍にプロットされており、凹凸,不陸の改善はほとんど期待できないことがわかります。


フリーアクセスフロア(支柱タイプ)+タイルカーペットでは、大部分の点が破線の下側にプロットされており、かつ施工前後での線別隙間,線別高低差の関係にある程度の対応関係をみることができます。
具体的には、フリーアクセスフロア(支柱タイプ)+タイルカーペットの施工により、凹凸,不陸ともに半分程度に改善される傾向があることがわかります。


以上ですが、今回の結果はあくまでも一例にすぎず、一般的傾向を論じるためには今後さらなるデータの蓄積が必要であると考えられます。